5.4. HTTPS (Port 443)のロードバランシング設定: [パターンB]認証局発行の証明書の利用¶
認証局で署名されたサーバ証明書をインポートして利用する方法を記載します。
5.4.1. サーバ証明書の準備¶
一般的には、BIG-IPのGUIでCSRと秘密鍵を生成し、CSRを認証局 (例:ベリサイン等)に送付します。
そのCSRに対して、認証局が署名を行うことでサーバ証明書が完成します。そのサーバ証明書を返送してもらい、インポートします。
本ガイドでは簡易的に、秘密鍵ファイルとサーバ証明書の両方がすでに存在しているものとし、両方をインポートする手順とします。
(F5 UDF Labの場合) リモートデスクトップ接続したPCのデスクトップ上にある、以下のフォルダを開いてください。
このフォルダ内の以下2つのファイルを使用します。
- 秘密鍵ファイル: abcCompany-key.pem
- サーバ証明書ファイル: abcCompany-cert.pem
5.4.2. 秘密鍵とサーバ証明書のインポート¶
- まず、サーバの秘密鍵をインポートします。
- 「System」 → 「Certificate Management」 → 「Traffic Certificate Management」 → 「SSL Certificate List」で表示された画面右上の「Import」ボタンを押します。
- Keyを選択します。
- 以下のように設定します。
- 以下の状態になります。
- 次に、サーバ証明書をインポートします。インポートした秘密鍵をクリックすると、以下の画面が現れます。「Import」ボタンを押します。
- 以下のように設定して、インポートします。
- サーバ証明書がインポートされた状態です。
- Client SSL Profileを作ります。「Local Traffic」 → 「Profiles」 → 「SSL」 → 「Client」で表示された画面右上の「Create」ボタンを押すと、以下の画面が表示されますので、以下のように設定します。
- 「Finished」ボタンを押すと、以下のようになります。
- [パターンA]で作成済みのVirtual Server:Port443を開き、「SSL Profile (Client)」部分の設定を以下のように変更し、Updateボタンを押します。
(省略)
5.4.3. クライアントPCの設定¶
注釈
F5 UDF Lab環境では、CA証明書はクライアントに設定済みです。hostsファイルも編集済みです。
5.4.3.1. 認証局の証明書のインポート¶
- サーバ証明書をBIG-IPにインポートしただけでは不十分です。このままでは、まだ、以下の画面を見ることになります。(例: Chrome)
この画面が出る理由は、このWebサイト (=BIG-IPのVirtual Server)のサーバ証明書に署名した認証局 (F5J-CA)の証明書がWebブラウザにインポートされていないことが原因です。認証局の証明書がWebブラウザに入っていないと、サーバ証明書の発行元をチェックすることができないためです。
この問題を回避するために、認証局 (F5J-CA)の証明書を、クライアントPCのWebブラウザへインポートする必要があります。
リモートデスクトップ接続したPCのデスクトップ上にある、以下のフォルダを開いてください。
このフォルダ内の以下のファイルを利用します。
認証局ファイル: cacert.pem
以下の手順でクライアントPCのWebブラウザ (例: Chrome)へインポートします。
- クライアントPCのWebブラウザ (例: Chrome)へインポートします。Chromeの設定画面で、証明書の管理を選択します。
- 信頼されたルート証明機関」タブを選択し、「インポート」ボタンを押して下ださい。
- 「次へ」を押して下さい。
- インポートするファイルとして、認証局の証明書 (cacert.pem)を選び、「次へ」を押してください。
- 証明書ストアが「信頼されたルート証明機関」であることを確認し、「次へ」を押してください。
- 「完了」を押してください。
- 以下のようなセキュリティ警告が表示された場合、ここでは「はい」を選択します。
- 完了です。「OK」を押してください。
- 「信頼されたルート証明機関」に、(f5jca.f5jp.local)のルート証明書がインポートされました。
これで、「信頼されたルート証明機関」として、本ガイドの認証局(F5J-CA)が登録されました。基本的にはこれで証明書のセキュリティ警告は表示されなくなります。
しかし、DNSによる名前解決ができない環境においては、次のステップも必要です。
5.4.3.2. クライアントPCのhostsファイルの編集¶
- DNSによる名前解決ができない環境の場合、URLとしてIPアドレスを入力することになります。この場合、クライアントPCへ認証局の証明書をインポートしても、引き続き、以下の画面が表示されます。
これは、Webサーバ(=Virtual Server)へアクセスして、Webサーバからサーバ証明書を受け取ったものの、サーバ証明書に記載されたCommon Nameと、接続を要求したFQDN (≒URL)が一致しないことが原因です。
検証環境で比較的簡単に回避するためには、クライアントPC: Windowsのhostsファイルを編集することです。
本例では、サーバ証明書のCommon Nameは「www.abc-company.com」です。
- Windowsの「メモ帳」アプリを、管理者権限で実行します。
- C:WindowsSystem32driversetchosts を編集します。(「hosts」デフォルト状態では表示されないかもしれません。その場合は左下の「すべてのファイル(.)」を選択してください。) hostsに指定するアドレスは、設定したVirtual ServerのIPアドレスを指定してください。
Webブラウザへ入力するURLは、IPアドレスではなくFQDN (https://www.abc-company.com)で入力します。これで、SSL証明書のセキュリティ警告を見ることなく、BIG-IPのVirtual Server経由でWebサーバへ接続することができます。